白髪が生えてくるのをなんとかしたいとは思ってもどうすれば良いのか分からないという人は多いと思います。白髪を隠すのに白髪染めをするのも良いけど、できれば白髪を予防して白髪が生えるのを止めることができたら嬉しいですよね。
そんな白髪を予防するのにはくるみが効果があるという噂がありますが本当なのでしょうか。また、他に効果的な栄養素にはどんなものがあるのかお話しします。
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白髪にはくるみが効果があるの?
確かにくるみには白髪を予防する効果が期待できます。と言うのもくるみには髪が黒く生えるための髪の組織の活動を活発にさせるために必要な栄養素が含まれているからです。
ではまずは髪が黒くなる仕組みと白髪が生えてくる仕組みについてお話しします。
髪が黒くなる仕組みと白髪が生えてくる仕組み
髪が黒いのはメラニン色素が髪の中に含まれるから
髪が黒い色の正体はメラニンと呼ばれる色素です。この色素が無ければ髪に色が付いていない状態の「白髪」です。髪が黒いか白いかはメラニン色素が髪に含まれるか含まれないかの違いです。
メラニン色素はメラノサイトで作られる
メラニン色素はメラノサイトと呼ばれる色素細胞と呼ばれる細胞で作られます。なお、メラニン色素はチロシンと呼ばれるアミノ酸の一つから作られます。メラニン色素の原料はこのチロシンです。
なお、作られたメラニン色素は色素細胞に送られます。そのメラニン色素を色素細胞が受け取り、髪を作る過程でメラニン色素が取り込まれて髪の中にメラニン色素が含まれた状態になります。そのまま黒髪として髪が伸びてくるというわけです。
ちなみに、メラニン色素がない髪、つまり白髪は実は透明なんです。白く見える白髪は実は透明な髪で、光に当たることで白く見えるというわけです。透明というと綺麗な印象を受けますが、白髪はあまりきれいな色に見えないですよね。
メラノサイトの活動が低下するとメラニン色素が作られなくなることも
メラニン色素はメラノサイトで作られますが、何らかの原因によってメラノサイトの活動が低下してしまうとメラニン色素が作られなくなります。白髪はメラニン色素が髪に存在しない状態ですが、どんな理由でメラノサイトの活動が低下してしまうのかというと次の理由が考えられます。
【原因①】老化
メラノサイトの活動が低下する原因で考えられるのはメラノサイトが老化して衰えてしまうことです。人間の体が年齢を重ねることで身体の機能が衰えるのに伴いメラノサイト自体も老化が進んで活動が低下してきます。
細胞を若返らせることはできないので、老化によるメラノサイトの衰えはどうすることもできない、というのは致し方ないことですね。
メラノサイトに必要な栄養素が不足するため
メラノサイトの活動に必要な栄養素があります。その栄養素が不足してしまうとメラノサイトの活動が低下してしまうことがあります。ちなみに、くるみもメラノサイトの活動に必要な栄養素が含まれています。
クルミにはどのような白髪に効果的な栄養素が含まれるの?
クルミにはビタミンやミネラルをはじめ、食物繊維など健康維持、増進に必要な栄養素(成分)が豊富に含まれています。そんなクルミに含まれる栄養素の中で、白髪に効果的な栄養素は次の通りです。
ビタミンE
ビタミンE油脂に溶ける脂溶性ビタミンのひとつです。ビタミンEには、血管の内壁を健康に保ち、血行を促進する作用があります。
メラノサイトの活動が低下する原因の一つに血行不良がありますが、血行不良になると、メラノサイトが活動するのに必要な栄養素が届かなくなるため、メラノサイトの活動の低下につながります。
なので、ビタミンEの持つ血行を促進する作用は、血行不良を改善するのに効果的です。なので、メラノサイトの活動に必要な栄養素がメラノサイトに行き届くためにも、ビタミンEは効果的な栄養素です。
くるみ以外でビタミンEを多く含む食材(例)
魚介類、肉類(赤身)、米類、穀類、ナッツ類、緑黄色野菜、大豆、植物油、など
オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸とは、海洋由来のDHA、EPAと同じ仲間の脂肪酸です。くるみのようなナッツ類の中ではダントツにオメガ3脂肪酸が含まれています。
アーモンドやピーナッツ、ピスタチオと言ったナッツ類にはオメガ3脂肪酸は含有量がほぼなかったり、わずかしか含まれませんが、くるみ100g中に含まれるオメガ3脂肪酸は9グラム程度含まれていると言われています。
オメガ3脂肪酸を摂取すると、毛細血管の壁がしなやかになり、血液をサラサラにして血流を良くしてくれるよう働きかけます。血流が良いということは、メラノサイトの活動に必要な栄養素がしっかりと届きメラニン色素がきちんと作られることに繋がります。
くるみ以外でオメガ3脂肪酸を多く含む食材(例)
亜麻仁油、えごま油やサンマ、サバ、アジなどのお魚など
銅
メラノサイトの中にはメラニン色素の材料であるチロシンが存在しており、チロシナーゼという酵素が酸化することにより黒いメラニン色素に変えるよう働きかけます。このチロシナーゼが働くのには銅が必要です。銅が無ければメラニン色素が作られませんし、黒いメラニン色素が作られることもありません。
くるみ以外で銅を多く含む食材(例)
鶏レバー、牡蠣、納豆、アーモンド、甲殻類などに含まれています。
くるみの食べ方
くるみも色んな食べ方があるようですね。
そのまま食べる
くるみはそのまま食べることができますし、市販されているくるみもそのまま食べるのも良いですね。おつまみ感覚で食べるのが良いでしょう。
ヨーグルトと一緒に食べる
ヨーグルトにくるみを入れて食べるのも良いですね。栄養素がたくさん含まれるくるみと乳酸菌が含まれるヨーグルトを一緒に食べることでとても健康的です。
サラダ、パスタ、炒め物に入れて食べるのも良い
普段食べているサラダ、パスタ、炒め物に入れれば美味しく食べることができます。
くるみは1日にどのくらい食べればいいの?
くるみは1日にどのくらい食べれば良いのかと言うと、理想的な摂取量は、一日25g程度と言われています。
くるみの食べ過ぎに注意です
くるみは栄養素が豊富なのが良いのですが、食べ過ぎには注意が必要です。なぜ食べ過ぎには注意しなければいけないのかと言うと次の理由があるからです。
【理由①】カロリーが高いため
くるみは結構カロリーが高いです。くるみ100gあたりのカロリーは674kcalなので、ついつい食べ過ぎないよう注意しましょう。
カロリーを比べてみるとくるみのカロリーの高さが分かります。
【理由②】消化不良になるため
くるみを食べ過ぎると消化不良になるため、食べ過ぎには注意です。と言うのも、くるみは食物繊維が豊富なのですが、その食物繊維が消化不良の原因になるからなんです。
食物繊維と聞くとお通じに良いように思われますが、くるみに多く含まれる食物繊維は水溶性食物繊維ではなく非水溶性食物繊維なので、水に溶けない性質があり便秘の原因になるからです。
ちなみに、くるみには水溶性食物繊維が存在しないわけではないのですが、含まれている量は少なく、非水溶性食物繊維の方が多く含まれています。
【理由③】ニキビができたり肌荒れを起こす
くるみは脂質を多く含みます。脂質を摂りすぎるとニキビの原因となりやすいため、食べ過ぎるのはお肌に良くないです。
くるみ以外におススメの栄養素6種
くるみ以外にも白髪改善におススメの栄養素があります。ではどんな栄養素が良いのでしょうか。
【栄養素①】ビタミンB12
ビタミンB12は血液を作り出してくれて、貧血を防ぐ効果が期待できる重要な栄養素です。血液を作るよう働きかけるため、血行不良が改善するのでメラノサイトの活動が活発になります。なので、メラニン色素がしっかり作られるようになります。
なお、ビタミンB12はは水溶性なので身体にとどめておくことができず体外に出て行ってしまいます。なので、出来ることなら毎日摂取するのが望ましいです。
ビタミンB12を多く含む食材(例)
貝類に多く含まれており、たとえばしじみや赤貝、あさりに多く含まれています。レバー、海苔(のり)などにも多く含まれます。
【栄養素②】葉酸
葉酸はビタミンB9とも呼ばれ、ビタミンB12と一緒に血液を作る働きをサポートするよう働きかけます。なので、血流を促して血行不良が改善することが期待できます。また、ビタミンB9はチロシンの吸収を高めてくれるよう働きます。
葉酸を多く含む食材(例)
葉酸はレバーやほうれん草などで特に多く含まれています。
【栄養素③】カルシウム
カルシウムはメラノサイトの活動が活発に行われるよう働きかける大事な栄養素です。また、カルシウムが不足するとイライラを抑える効果が期待できますが、イライラするとストレスが溜まりやすくなるため、白髪の原因となります。
なので、カルシウムをしっかり摂取することはストレスが溜まらなくなることにつながり、結果として髪にとっても良いことになるというわけなんですね。
カルシウムを多く含む食材(例)
カルシウムは、牛乳、チーズ、煮干し、小松菜などから多く摂取出来ます。
【栄養素④】亜鉛
亜鉛は白髪予防に良いと言われていますが、実は亜鉛による白髪改善の因果関係は分かっていない部分が多いです。亜鉛を摂取したからと言って白髪が改善された、というわけにはなりませんが、白髪の原因である活性酸素を除去する効果が認められています。
活性酸素が増えすぎてしまうと細胞を老化させる特徴があり、髪を作る細胞やメラニン色素を作る細胞であるメラノサイトへの影響を受けてしまいます。なので、活性酸素を除去する効果が期待できる亜鉛をしっかり摂るのはとても大事なことです。
亜鉛を多く含む食材(例)
亜鉛は、牡蠣や煮干し・レバー・豆類・木の実などで摂ることが出来ます。
【栄養素⑤】タンパク質
たんぱく質は健康な髪の毛を作り出すのに必須な成分です。ケラチンと呼ばれるたんぱく質は髪の主成分でもあり、強くてより良い髪を作るためにはタンパク質は欠かせません。
頭皮を健康にする効果もあるので、メラノサイトの活性化にもつながってきます。たんぱく質だけを摂っただけでは黒い髪が生えてくるわけではありませんが、メラノサイトの活動のためにもたんぱく質の摂取は非常に大事です。
たんぱく質を多く含む食材(例)
たんぱく質は、乳製品、肉類、魚介類、卵、大豆類などに含まれます。
【栄養素⑥】チロシン
チロシンはメラニン色素の材料となる重要な栄養素です。チロシンが減少すればメラニン色素が作られる量も当然少なくなり色が付かない髪が生えてきてしまいます。
チロシンと言うとあまり聞きなれない栄養素ですが、今はチロシンのサプリメントも販売されており、普段の食事ではなかなかチロシンを摂るのが大変という人はサプリメントを飲むと良いです。
チロシンを多く含む食材(例)
チロシンはチーズ、乳製品、たらこ、たけのこ、バナナ、アボガド、ごま、大豆、落花生、アーモンドなどに多く含まれています。
最後に
ここまでで、白髪にはくるみが効果があるかについてお話ししました。くるみには栄養豊富ですが、ビタミンE、オメガ3脂肪酸、銅と言った栄養素は特に白髪改善にとってはとても大事な栄養素になります。ただし食べ過ぎには注意です。
カロリーが高いですし、ニキビの原因にもなりやすいため1日の摂取量(25g程度)を守るようにしましょう。
あくまでくるみを食べていれば自然と白髪が生えてこなくなる、黒髪になるというわけではありませんが、黒髪が生えてくるために必要な栄養素だったり、黒髪を作る細胞などの活動に必要な栄養素を摂取することが白髪改善にとっては良いことです。
「この栄養素を摂れば絶対に白髪とはおさらばできる!」というわけではありませんが、黒髪を維持し、白髪が生えてくることを予防するためにも、くるみを食べたり、カルシウムや葉酸などの栄養素は普段の食生活においてしっかり摂っておきたいところですね。
普段の食生活ではなかなか摂取するのが難しいのであれば各種栄養素が摂れるサプリメントに頼っても良いですね。